2010年 06月 23日

松山・伯方島・尾道、鈍行と船の旅(その2)

サラサヤ旅館は、木浦でいちばん古い旅館。



といっても木浦にはたぶん2、3軒しか旅館はないだろう。
港から歩いて10分ぐらい。ほとんど商店街らしいところもないこの港町で、すこしだけ店がかたまっている通りの信号のある交差点の角にあった。
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分かりにくい玄関から入ると、女将さんのお出迎え。
他に同宿が数名あるらしい。
最初、縁のない窓が上半分の暗い部屋に案内された。
が、暫くして明るい部屋が空いたということで、替えてもらった。
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お茶をいただいてから、まだ明るかったので、周りを散歩する。
裏道に入ると島の集落らしく細い坂道が多い。
裏山でウグイスが鳴いている。

通りの向かいには小学校と役場の庁舎。
サラサヤという化粧品のお店もあった。
農協のマーケットで「いりこみそ」というおかず味噌があったので買ってみる。
(家に帰って食べてみたら素朴な味で酒がすすんだ。)

部屋に戻り風呂をいただいて、浴衣に替えのんびりする。
6時になり食堂で夕食。
サザエ、鯛、ウニなどの刺身、黒鯛の大きな唐揚げ、鯛の兜煮、蛸の素揚げなど。
お料理は主人が順番に持ってきて説明してくれる。
一緒にいただく熱燗も杯がすすむ。
最後はこのあたりの郷土料理、鯛飯で締め。
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部屋に戻り、「俳句の世界」を読んでいるうちに眠たくなり・・・
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ちゅんちゅん、ほーほけきょ
例のごとく夜明けとともに目が覚める。
宿の人たちもまだ寝ているようす。
着替えて顔を洗い、そっと玄関から出る。

木浦周辺には目玉の観光スポットはないけど、朝の港町と伯方で一番古いお寺の禅興寺を見たいと思った。
(後で調べたら、向かいの山の上に見えた伯方ふるさと歴史公園の村上水軍関係の展示がいいらしい。)
手持ちの地図ではお寺の位置がはっきりわからない。
朝の散歩などしている島の人たちに道を訊きながら遠回りして、隣の港町から峠を越えて戻る。
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禅興寺は室町時代に開かれた曹洞宗のお寺で、村上水軍として知られる村上氏の菩提寺。
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少し下ったところに村上氏の墓地と町指定天然記念物となっている大楠がある。
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推定樹齢640年、幹周7m、枝張りはなんと東西、南北それぞれ30mもある堂々たる楠である。
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まだまだ時間があるので、お寺の裏山「大深山」に登ってみる。
段々畑のような墓地を抜け半分草に蔽われた山道を登る、50mおきぐらいにお地蔵様が。
どなたかこの仏様の正式な名称を御存知でしたらご教授下さい。
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頂上近くまで登ると、なんと頂上の展望台直下まで車道が来ていた。
寂れた展望台で、あまり訪れる人もないようである。
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帰りは車道を下る。
すごく急な道なのに、島のご老人(ご婦人)がねこ車を押して畑仕事のためにずいぶん上まで上がってみえたのには感心した。
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朝ごはんが美味しかったのは、よく歩いたせいばかりではない。
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宿を出る支度をしていて、壁に掛けてあった額をよく見ると、子規が漱石に宛てて描いた絵手紙であった。

  あづま菊いけて置きけり
   火の国に住みける君の
    帰りくるかね    
            コレハ萎ミカケタ処ト思ヒタマエ
            書ガマヅイノハ病人ダカラト思ヒタマエ
            嘘ダト思ハバ肱ツイテカイテ見玉ヘ
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チェックアウトのとき記念に写真を撮らせていただいた。
なんか初めて会った人ではないような気がした。
壁の古い時計もいい。
サラサヤ旅館ホームページ(音楽が流れるので気をつけて。)

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木浦港発8時30分の便にまた飛び込みで間に合った。
今日も船内で上陸券のみ購入。
弓削港で乗り換えとなる。
1時間ほどあったので港のあたりをうろうろしていると、島の人らしいおじさんが釣りをしていた。
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おじさんは外国航路のコンテナ船に35年乗った船乗りで、引退後は釣りとテレビのお守りが日課。
アメリカ、ヨーロッパ、アフリカなどを回った話。
飛行機で外国の港まで飛び、数ヶ月船上生活してまた飛行機で帰ってくる話。
昔、隣島の因島が造船で活気があったころ、弓削島の人口は今の何倍もあって、みんな造船所に通っていた話。
など聞きながら、釣りを眺めて暇を潰す。
小さな河豚が泳いでいった。

弓削からの船ではデッキに出ることが出来た。
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天気もいいし気持ちがよい。
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一杯やりながら潮風に吹かれるのもおつなもの。
しまなみ街道の下も通る。
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尾道駅前に上陸。
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デベラカレイを買いたかったので干物の店を探して歩く。
駅前のラーメン屋「味麺」で尾道ラーメンを食べる。
ラーメンを食べると腹がぐるぐるになるのが常なのに、まして、毎日飲んで食べて胃腸が疲れているはずなのに、ここのラーメンは腹にやさしかった。

お昼過ぎの鈍行に乗り込み、夕方、岐阜に帰り着く。
「俳句の世界」を読み終えることは出来なかった。
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by s_space_s | 2010-06-23 10:40 | 旅行 | Trackback | Comments(0)
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