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blog版 がおろ亭

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2012年 04月 24日

ポルトベーロの魔女

ブラジルの作家、パウロ・コエーリョの作品。
ジプシーの子に生まれ、裕福な夫婦のに養子となって育てられたアテナ。
スピリチュアルな自分の能力を開花させることを志として持った女性の半生を、彼女を知る何人かの視点で描いた小説である。

最後には自分の中にあるハギア・ソフィアという母神との交信ができるようになり、教祖様として祀り上げられることになった彼女は、カルト的な信者の熱狂から信仰を守るため?ある大芝居を打つことにした。

わし自身はこの手のスピリチュアリズムに興味がない、というか懐疑的だ。
ダンス、カリグラフィー、その他の小道具や言葉を使った修行で起こる霊的な現象は、みんな心理学的に説明ができるものばかり。

催眠と自己暗示でもう一人の自分を発見し、人生を変えることに意味がないとは言わない。
けど、そこに神が存在し永遠を約束してくれたり、現世のご利益があるわけではない。
アテナが自分の感じているものを神だと捉えているだけだ。
どこにも保証はない。

そんなこと言ったら、どんな宗教でも同じなのかも。
信じる者が救われるのだ。


武田千香訳 角川文庫 

by s_space_s | 2012-04-24 23:27 | 読書 | Comments(0)


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