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2017年 07月 27日

梶井基次郎全集

全集といっても全1巻です。
有名な「檸檬」という短編を読んで面白かったので、他の作品も読んでみたいと思ったのがきっかけです。
全集の中には習作や遺稿も収められていて、同じ話がブラッシュアップされているのを読み比べるのも面白かった。

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梶井は小説家ですが、感覚は詩人に近いように感じました。
桜の樹の下には屍体が埋まつてゐる!で始まる「桜の樹の下には」などは散文詩のようです。

「愛撫」では子猫の肉球をまぶたの上に載せてみる話があって、つげ義春もこれを読んでいたのが分かりました。
つげの「やなぎ屋主人」では、同じことをした主人公が「冷たくていい気持だ」と言っています。
梶井の「愛撫」の最後では・・・

私はゴロッと仰向きに寝転んで、猫を顔の上へあげて来る。二本の前足を掴んで来て、柔らかいその蹠を、一つずつ私の眼蓋にあてがう。快い猫の重量。温かいその蹠。私の疲れた眼球には、しみじみとした、この世のものでない休息が伝わって来る。

 仔猫よ! 後生だから、しばらく踏み外はずさないでいろよ。お前はすぐ爪を立てるのだから。

やっぱり、温かいんですね。

ちくま文庫





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by s_space_s | 2017-07-27 13:02 | 読書 | Trackback | Comments(0)
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