blog版 がおろ亭

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2017年 10月 15日

最近読んだ本(パルプ、血の収穫、城の崎にて他、滝への新しい小径)

落ち着く雨の日曜日
メダカの世話したり、古いツエルトを切ってタープを作ってみたり
庭でテストしてしてみるが、防水性の無くなった生地のタープでは、雨をしのぐのは少し厳しい

最近、よく本が読めるようになってきたので備忘にメモしておこう

★パルプ
ブコウスキーの書いた「史上最低」の私立探偵ビレーンの話。
報酬は1時間6ドル。仕事中もポケットのウオッカをちびりちびり。
トミー・リー・ジョーンズをもっと不細工にしたようなおっさんをイメージしながら読んだ。
「・・・でも飲んだくれていると、ひとつだけいいのは、絶対に便秘しないことだ。・・・」
これには、わしも頷いた。
最後の「赤い雀」って何の象徴なのか?
フランスの作家セリーヌに興味を持ったので「なしくずしの死」上下あわせて約1,000ページを取り寄せてしまった。

チャールズ・ブコウスキー著 柴田元幸訳 ちくま文庫

★血の収穫
こっちは本格派。
ハードボイルドの先駆的名作で、ヘミングウェイにも通じるところがある。
訳がいいせいかもしれないが、会話がクールでかっこいい。
主人公「おれ」はコンティネンタル探偵社サンフランシスコ支局員(コンティネンタル・オップ)だ。
オップ(op:探偵)と聞いて思い出すのは、昔、ラジオドラマでやっていた矢作俊彦の「マンハッタン・オプ」。
あれも台詞がかっこよかったけど、こういうのを手本にしていたのだな。

ダシール・ハメット著 田中西二郎訳 創元推理文庫

★城の崎にて他
城崎温泉にでも行ってみようかという話をしていたら、かみさんが図書館で少年少女日本文学館⑤というのを借りて来た。
白樺派の志賀直哉、武者小路実篤、有島武郎の短編を集めたもので、やはり志賀直哉のものがわしには面白い。
あとの二人の作品は道徳の教科書にでも出てきそうな話で、いけない。

「小僧の神様」「清兵衛と瓢箪」など読んだことのある作品もあった。
「城崎」も再読のはずで、静謐な雰囲気の作品だったことは感触として残っていたけど、生き物しか出てこない話だったとは憶えていなかった。
出てくるのは、
山女、川蟹(モクズガニ)、蜂、鼠、家鴨、桑の葉、いもり
この中でも、死んだ蜂、死にゆく鼠、図らずも殺してしまったいもり、を通じて生と死に対する感情が静かに語られている。

大きな鼠の首には魚焼きの串が刺し抜いてあり、川に投げ込まれた鼠は必死で泳いで逃げようとしている。
子供や車夫がそれに石を投げる。
「自分」は「寂しい嫌な気持ち」になる。

鼠を殺す話でこんな作品を思い出した。
梶井基次郎の「冬の日」の一節。

穉(おさな)い堯(たかし)は捕鼠器(ねずみとり)に入った鼠を川に漬けに行った。透明な水のなかで鼠は左右に金網を伝い、それは空気のなかでのように見えた。やがて鼠は網目の一つへ鼻を突っ込んだまま動かなくなった。白い泡が鼠の口から最後に泛(うか)んだ。……

堯もまた不治の病のまえに、やがて生きていこうとする意志が失われていく。
志賀の鼠の一生懸命さに比して、こちらの死は静かなあっけないもの。

ヒラヒラヒラヒラ動いていた桑の葉の理由について説明すっとばしするのも上手いと思った。

★滝への新しい小径
カーヴァーが癌でなくなる直前に書き残した詩集。
協同で編集にあたった妻で詩人のテス・ギャラガーの前書きと、まだ数編の作品しか読んでいない。
詩集なので、何回読んでも読了ということはないだろう。

レイモンド・カーヴァー著 村上春樹訳 中央公論新社




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by s_space_s | 2017-10-15 15:59 | 読書 | Trackback | Comments(0)
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