blog版 がおろ亭

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2007年 03月 15日

第49次南極観測隊冬期総合訓練

観測隊員候補者の訓練に参加した。



3月5日(月)雨、暖かい
10:38岐阜発のワイドビューしなの9号で松本へ。
改札を出たところで既に参加者らしい人たちが数名たむろしている。
まだよそよそしい雰囲気。

借上げバスで乗鞍高原の鈴蘭小屋へ。
隣に座った越冬2回目のKさんとお話をする。
なんとなく山屋の雰囲気のある方である。

開会式の後、南極観測の概要の講義がある。
案内どおり、小さい木の椅子はけつが痛くなる。

班分けで2班に入る。メンバーは6人で越冬2回目のMさんが班長。
偶然にも、テレマーカーが3人集まり、話がはずんだ。

共同装備と個人装備の配布がある。
配給された行動食と非常食はかなりの量なので、節約して,訓練が終わってからの山行に使うことにした。(せこっ)
講義終了後、3班と合同で、かなり飲んだ。

3月6日(火)曇り
午前中は講義。医療で越冬されたO先生の話が面白く,ためになった。
11:30発。ルート工作訓練。
一の瀬園地の雪原で、まず歩測の実習。
雪の状態にもよると思うが、膝下くらいのモナカ雪のラッセルでわしの場合40歩で50m。

ハンドベアリングコンパスを使用し、5ポイント,総延長1.5kmくらいの稲妻状のルートを踏査する。
途中池などがあり直進できないところは三角法でかわしていく。
結局、目的地まで25mの誤差が出たが、9班のうち3位であった。
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今夜は早めに寝ようと思ったが、南極仕様の60度近いコンク(困苦?)ウイスキーが効いてまたもや飲みすぎ。

3月7日(水)曇りのち雪
文登研の山本、樋口、角谷各先生の講義がある。
低体温症の話で紹介された、低体温状態(体幹35度ぐらい)で風呂に入った場合に、一時的により体温が下がるという実験結果は興味深かった。
また、野外でわしらが対応できるのは35度~32度までで,それ以下は設備が整った医療機関でないと無理であること、その目安は震えの消失であることなど,参考になる情報があった。
山本講師のお話は熱い。

その後、楽しみなサバイバル訓練。
共同装備を分担し,徒歩で一の瀬園地のビバーク地へ。
セールロンダーネチームと南極トラバースチームはすごい装備を担いで、スキー場トップから位ヶ原へむかった。ご苦労様です。

山本、樋口両講師の指導でテント設営、搬送法(ツエルト、ザック、ロープ利用)などを行った。
豪華な行動食に反比例で,夕食はレトルトのカレーと農協ご飯。
大きなテントでみんなと話しながら、石油コンロで雪を解かして水を作ったり、いろいろ食べたりするのはほんとに楽しいひとときだ。
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夕食後,遅くまで歓談する班もあったが、わが班は早々にビバーク用ツエルトへ。
わしは通信のNさんとペア。
設営は完璧。ゴアテックスのツエルトに羽毛シュラフ、ゴアカバー、エアマット付きと至れり尽せりの寝具で、非常に快適に寝れた。

3月8日(木)晴れのち雪
しょんべんがしたくて目が覚める。
メインのテントで寝た極地研のK指導員が既にお湯を沸かしてくれていた。
Kさんは南極の経験豊富で、一見すると軍人さんのような印象の方で、ひげがかっこいい。
軍曹とお呼びしたい。
朝はカップヌードルで簡単。

テント撤収後、各自山スキーを着けてABCの3班に分かれる。
昨夜の新雪で斜面を滑ったらさぞ気持ちいいだろうと思いながら、のんびり牧場を歩く。
同じ班にクライマーでガイドもやっているAさんがいたので、いろんな話ができて楽しかった。

早めに小屋に戻り、ゆっくり休んだ後,昼飯の牛丼をいただき、午後の部の雪上訓練へ。
スキー場の一角で、ピッケルを使った歩行訓練から入る。
フィックスロープの使用法とクレバスからの自己脱出法は、山本講師のご命令でAさんとわしもロープセットと指導を分担する。
慌てて固定ロープをセットしたので、多分登りにくかったと思います。皆さんごめんなさい。

今夜の夕食は懇親会を兼ねている。
ルート工作の成績発表があった。
3位入賞で喜んでいたら,9位まですべて日本酒の賞品があり,なんと9位が大雪渓2升。
3位は大雪渓9合瓶・・・。
結果的には,みんなの腹に納まるので,同じと言うことみたい。

出席された区長さんと、鈴蘭小屋のご主人のお話が印象的であった。
第1次隊からずっと乗鞍で訓練をおこなってきており、古い隊員の話では,宿の薄い田舎味噌の味噌汁の味も先代から変わらないそうである。

3月9日(金)晴れ
副所長の纏めの講義を聴いたあと、大型トラックに共同装備などの積み込みを行う。
さすがに,みんな良く動く。
東京行きと松本行きのバスに分乗し,乗鞍をあとにした。

南極へ行くという実感が少し湧いてきた訓練だった。
極地研のスタッフの皆さん、講師の方々、参加された皆さん、お世話になりました。
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by s_space_s | 2007-03-15 18:29 | 南極 | Trackback | Comments(3)
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Commented by けん at 2007-03-18 07:11 x
訓練ご苦労様です。羽毛シュラフを買おうと思ってますが、冬季乗鞍だとイスカ エア810クラスが良いのでしょうか?
Commented by すー at 2007-03-19 18:37 x
カタログを見る限り、エア810は暖かそうですね。
私の場合、登攀やスキーの場合はモンベルのダウンハガー#5で羽毛180gしか入っていないものを冬でも使っていますが、寒いけど結構寝れます。
暖かい寝具や予備の服など、快適に寝ようと思えばどんどん装備が増えていきます。
何日もそこで暮らすのでないならば、1日か2日ぐらい寝れなくても、行動はできるものです。
要は、自分なりにどこで折り合いを付けるかということだと思います。
それにはある程度経験が必要ですので、やっぱり楽山荘のご主人のような経験豊富な店の人に相談されるのが一番だと思います。
Commented by けん at 2007-03-20 12:45 x
貴重な経験談ありがとうございます。以前Kさんに相談しましたが、感じる寒さは個人差があるし、いきなり冬季テン泊するより夏、秋、冬と徐々に体を慣らしていったほうが寒さに強くなるそうです。今年は冬季千町ヶ原を目標に夏から慣らして行こうと思ってます。


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