blog版 がおろ亭

sspaces.exblog.jp
ブログトップ
2008年 04月 20日

岩島ルート工作

昭和基地から1kmほど沖にある岩島へ行ってきました。

越冬に入って初めて岩島へ渡るのでルート工作をしながら行きました。
ルート工作というのは、海氷上を雪上車やスノモで移動するための安全なラインを設定する作業です。
海氷は毎年状況が変わるので、前の隊が設定したルートは参考にはしますが、自分でルートを開拓しなければなりません。
クライミングのルート開拓にも通じるものがあり、楽しんでやってます。

今回はまず、わしとK師匠が先頭で海氷の危険個所をチェックしながら見当をつけたラインをスノーモービルで走り、200mぐらいごとに仮の赤旗を立てます。
次に雪を掘って氷の面を出し積雪深を測ってから、電動ドリルで穴を開け氷厚測定器で厚さを測ります。
そのとき厚さだけでなく、氷の状態もチェックします。
e0064783_13551389.jpg

気温が低くて安定した氷であれば、10cmで1トン以上の支持力があると言われています。
e0064783_1250376.jpg

安全が確認できたら、正式に旗を設置し、セカンドのO隊員とI隊員が、前のポイントからの磁方位、距離、ポイントのGPS座標を計測し記録していきます。
岩島まで10ポイントほど穴を開けて、厚いところで3m以上、薄いところでも1.5mほどあり安全が確認できました。

陸と海氷のコンタクトラインには、潮の干満で氷が動いてできたタイド・クラックがあり注意が必要です。
e0064783_1251498.jpg

海氷は潮の干満、気圧などによって絶えず運動しており、毎日2m以上も上下しているそうです。
また、ブリザードで海氷が大きく流され海面が出てしまうこともあり、一見、雪原のように見えても氷の下は深い海であることを意識しながら行動しなければなりません。

今回は、この監視カメラの立ち下げ作業のため岩島へ渡りました。
e0064783_12513957.jpg

岩島から氷山群を眺める
e0064783_1252487.jpg

ルートの脇にあった氷山に初めて触ってみました。
あたり前ですが、氷の塊でした。
e0064783_13564536.jpg

氷山の周りには、クラック、ウインドスクープ(積もった雪が風でえぐられてできた雪壁)、裸氷、パドル(水溜り)と海氷における危険がすべてそろっています。近づくときは細心の注意と太くて長いゾンデ棒が必要です。
e0064783_13571060.jpg

なぜか常に風上にできるウインドスクープ。
視程がないとき無理して雪上車で走って落ちてしまう事故がよくあります。
e0064783_12545247.jpg

こんなこともしてみました。
e0064783_12555150.jpg

[PR]

by s_space_s | 2008-04-20 12:16 | 南極 | Trackback | Comments(2)
トラックバックURL : http://sspaces.exblog.jp/tb/7779391
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by ワルテル at 2008-04-21 13:24 x
岩場のルート開拓のように楽しいですか!
もう随分前に、穴毛谷の二之沢奥壁で「雨ニモ負ケズ」
というルートを開きましたね。
しかし、ブリニモ負ケズとがんばると、ロストポジションするといかーん!
のでお気をつけあそばせ。
 4/10から16まで、室堂にいましたが、入山前日に標高3000mまで雨が降り、まるで6月のように雪面が溝だらけになってました。13日だったかに20㎝ほど降って、ちょっと良くなりましたが、その後ものすごい黄砂が飛んできて、一気に雪が真っ黒け(ちょっとオオゲサ)になりました。別山頂上付近で研修していた山岳ガイドは喉が変になってしまい、帰ってきて必死にうがいをして事なきを得ました。これ以上黄砂が飛んでくるとかなわんので、明日中国に水まきにに行ってきます。(もちろんウソです。)
下山は御山谷を初めて滑りました。思っていたよりいい沢でした。真砂沢なみに気持ちよかったです。
Commented by gaoro at 2008-04-21 23:52 x
自分の判断でラインを決めるというのが、自分には面白いです。
日本の山はもう春なんですね。
こちらは、日の出が8時過ぎ、日没が4時頃と日が短くなってきて、早朝や夕方のスキーもできなくなりました。
「雨ニモ負ケズ」懐かしいなぁ。誰も再登してないだろうなぁ。


<< 最近観た映画      事故例集再読会 >>