blog版 がおろ亭

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2008年 04月 29日

ちくま文学の森7 恐ろしい話

日曜日はブリザードで外出禁止令発令。
部屋で映画鑑賞と読書三昧。
少しづつ読んでいた「恐ろしい話」を夕方読み終える。

自分としての恐ろしさベスト3は、
「剃刀」(志賀直哉) 文字どおり切れた床屋の話
「三浦右衛門の最後」(菊池寛) 殿様に寵愛された美少年の壮絶な死
「蠅」(ピランデルロ) 何気ないところに恐怖の種が

短編として面白いのは、
「詩人のナプキン」(アポリネール)
 知らないということは恐ろしい
 けど寓話としてある種の美しさがある
 韻だけではなく詩と死は相性がいい
「爪」(アイリッシュ) これは痛そう、自分でやるとこが怖い
「ひかりごけ」(武田泰淳) 極限状況での人間性とは?

怖さの種類で分類すると・・・(重複あり)

★カニバリズム(人肉食)系
「爪」(アイリッシュ)  指を食う。と言うより食ってしまう。な~んでか?
「盗賊の花むこ」(ヤーコプ・グリム)  盗賊が娘を・・・塩ふって・・・
「貧家の子女がその両親並びに祖国にとっての重荷となることを防止し、かつ社会に対して有用ならしめんとする方法についての私案」(スウィフト) 子豚も食うのだから案外・・・
「ひかりごけ」(武田泰淳) 海に飛び込んで自殺するぐらいなら食われろ!

★人間性の怖さ
「出エジプト記」より(アポリネール) 目には目を歯には歯を
「蠅」(ピランデルロ) 何やかや言ってても自分の命が大切だってこと
「剃刀」(志賀直哉) サクッといったときの静けさがたまらない
「ひも」(モーパッサン)  こんなものを拾ったばっかりに・・・
「ごくつぶし」(ミルボー)  こうやって死ねればごくつぶしにもならんやろう 
「罪のあがない」(サキ)  子供って恐ろしい
「ひかりごけ」(武田泰淳) 

★死の恐怖
「断頭台の秘密」(ヴィリエ・ド・リラダン) 首が胴体から離れても一定の時間意思があるか?  
「三浦右衛門の最後」(菊池寛)
「蠅」(ピランデルロ)

★幽霊、妖怪、心霊現象系
「バッソンピエール元帥の回想記から」(ホフマンスタール)
「信号手」(ディケンズ) この舞台自体が幻想的
「ロカルノの女乞食」(クライスト) 
「緑の物怪」(ネルヴァル) 強がってこういうものに関わらないほうが良いってこと
「竈の中の顔」(田中貢太郎)  
「剣を鍛える話」(魯迅) 日本人には着いてけない変な話
「利根の渡」(岡本綺堂) 人の恨みの恐ろしさ

★異常心理系
「死後の恋」(夢野久作) ああッ…… アナスタシヤ内親王殿下……。「ドグラマグラ」読むべし
「網膜脈視症」(木々高太郎) 
「マウントドレイゴ卿の死」(モーム) 夢が現実世界を凌駕する話

★その他
「詩人のナプキン」(アポリネール) 詩人は死を好む?
「お前が犯人だ」(ポー) こんなことされたらホントびっくりするわな

刺激の多い現代社会に生きていて感覚が麻痺しているのか、ぞっとするような恐ろしい話には感じない作品が多い。
また、西洋人とわしらとでは怖さの感覚が少し違うような気がする。
安野光雅、 森毅、井上ひさし編なのでどっちか言うと奇妙な味の小説を集めてあるような感じです。
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by s_space_s | 2008-04-29 23:49 | 読書 | Trackback | Comments(2)
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Commented by ほったて小屋 at 2008-05-03 09:40 x
お元気そうで何よりです。
ちくまさんの森といえば、2の「蜜柑」、嫌いじゃないです。
Commented by s_space_s at 2008-05-04 20:24
芥川の「蜜柑」ですか。
いい話ですね。


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