blog版 がおろ亭

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2017年 08月 17日

最近読んだ本(飛行士たちの話、性・差別・民族、Backcountry Ski Book)

この盆休みは雨続きでよく本が読めました。

★飛行士たちの話〔新訳版〕
何冊かシニカルな短編集を読んだことのあるロアルド・ダールの処女短編集。
エピソードは第2次世界大戦で戦闘機に乗っていたダール自身の経験に基づいている。
坊主によると「紅の豚」にも使われた話があるらしい。(「彼らに歳は取らせまい」)

「あなたに似た人」という短編が最後にあって、ダールには同じ題名の短編集があるので気になった。
夜の雨降る街でタクシーを待っているところで説明もなく終わっているのが良かった。
田口 俊樹の新訳が気に入らない読者もいるようだが、わしには結構いい雰囲気を出しているように思えた。

ハヤカワミステリー文庫

★性・差別・民族
本屋でなんとなく文庫本を漁っていたら、
「夜這いなどの村落社会の性風俗、祭りなどの実際から部落差別の実際を描く。柳田民俗学が避けた非常民の民俗学の実践の記録」
と帯にあったので思わず手に取ってしまった。

古物商としてムラを回りながらその裏側にまで入り込み、生きた人間の声を聴くその調査法と記録は確かに柳田國男のそれとは異質のものだ。
また、こんな興味深い話があったという記録にとどまらず、その風俗が社会のダイナミズムの中でどのような意味を持っていたのかまで考察しようとする姿勢はマルクス主義唯物論に徹している。

話の内容は、赤松個人の体験談や脱線も多いので、論文的なものではなくエッセーとして読むべきものだ。
赤松は、柳田が性や差別に関する風俗を意識的に避けたと言っている。
しかし、赤松もムラ社会の性的な開放について語りながら、その結果出来てしまった赤ん坊のことについて一言も触れていない。
堕胎、間引き、子殺しなど必ず問題として存在したと思われるのに。

今、日本各地の祭りを世界遺産に登録するのがブームだ。
その祭祀を受け継いできたムラや地域の共同体機能が既に変質してしまっているのに、芸能的な形式だけを保存しても観光振興の意味しかないと赤松なら言うと思う
そんなことを考えさせてくれる面白い本だった。

赤松啓介著 河出文庫

Allen & Mike's Really Cool Backcountry Ski Book
数年前に読んだ英語のペーパーバック。
ちょっと訳があって、つまみ食いで再読した。
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いくつか使えるTipsがあったのでメモしてみる。
・リペアキットにスキーポールのバスケット
・ショペルには肩担ぎひもを付けておくこと
・シールを忘れたらモミなどの葉のついた枝をソールにストラップで固定すれば歩ける。
・前夜作った水の入った水筒は上下逆さまにしておくと、蓋が凍り付かない。
・もっと寒いときは雪の中に埋めておくと凍らない。
・アメリカ式トラック結び(引き解け結び使用)をテントの張り綱に
・起床時にシュラフを外気で乾燥
・ウンチは雪に埋めず日当たりのいい斜面で凍結・解凍・UV分解
 トイレットペーパーとして雪のブロック使用。まだやってみてない。
 野グソについてはこちらのサイトが詳しい。
・ファーストトラック斜面の有効な使い方
 登りはなるべく樹林帯から。登りも滑りもオープンバーンを横断するのは×(美的にも安全管理上も)。
 先行シュプールを汚さず平行でタイトなラインで滑るべし。脈絡のないシュプールはダサい(死語?)。

わしはファーストトラックを滑るときは、習字するときと同じ心構えで滑っている。(出来栄えははともかく)
そうではないスキーヤーが多いみたい。

このシリーズではこっちも面白い。




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by s_space_s | 2017-08-17 20:34 | 読書 | Trackback | Comments(0)
2017年 08月 14日

荘川シャワークライミングガイド

盆休み前の3日間、ODSSの荘川シャワクラガイドしてきました。
連日30人以上のお客様で結構大変でした。
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子供って面白いね
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けど、終わってからのガイドハウスのパーティーで疲れも吹っ飛んで
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翌日も頑張れる

1 hour guide, 4 hour laundry





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by s_space_s | 2017-08-14 20:03 | ガイド | Trackback | Comments(2)
2017年 08月 06日

剱岳八ツ峰Ⅵ峰Cフェース剣稜会ルート

【山域】北アルプス
【場所】剱岳八ツ峰
【日時】2017年8月3日(木)~5日(土)
【コース】室堂~剣沢~長次郎雪渓~熊ノ岩(泊)~Ⅵ峰Cフェース~八ツ峰上半~剱岳~別山尾根~剣沢(泊)~別山乗越~立山三山縦走~室堂
【メンバー】コウムラ、わし(岐阜テレマーク倶楽部) 
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前回、コウムラの希望でDフェースを登りに来てからもう3年の月日が流れた。
コウムラは3年間まじめに努力した。
このルートならツルベで登っても安心できるまでになった。
今後は、禁煙して強いクライマーになってもらいたい。

剱は岩と雪の殿堂だ。
自分の小ささが実感できる。

1日目 曇り夕方小雨

室堂はスキーができそうなほど残雪が多い。
剣沢小屋の横に2泊目の食料などをデポして長次郎に向かう。
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長次郎谷出合から剣沢を振り返る。

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3年前の9月に雪渓が切れていたところも快調に登れる。

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チェーンスパイクとアプローチシューズはぎりぎりの選択だった。
この足回りでは下降は難しい。
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3時ごろ熊ノ岩に到着。
この風景、既視感がある。

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テントサイトはほとんど残雪に覆われ、5張ほどのスペースしかなかった。
テントキーパーしていた女性に1段下の快適なスペースを教えていただいた。
草原状の尾根に小さく人影が見えるところ。
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水は雪渓の下から豊富に流れ出していた。
手の切れそうなほどの氷水。
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今日のねぐらはツエルト
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2日目 曇り時々晴れ、夕方小雨

一段上のテントサイトを見上げる。
今日はCフェースも貸切かと気を抜いたのがまずかった。
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キジを打ったりしてゆっくり準備していると、5人のパーティーが長次郎を登ってきて、Cフェース基部に着いてしまった。
雪渓を横断してわしらも行ってみると、大学生パーティーで全員が剣稜会を登るという。
2パーティー目は新人2人をドッペルするというので、腹をくくってのんびり待つことにする。
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1ピッチ目の取付きは雪渓のシュルンドになっていて登りにくい。
写真は先行1パーティー目。
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1時間以上待ってスタート。
今日はジャンケンでオーダーを決める。
1ピッチ目はわしから。
ファイブテンのシューズは非常に快適で楽しく登れる。
残置はかなり古く、また少な目なのでカムが有効だ。

2ピッチ目の出だし。
安心して見ていられるようになったコウムラのリード。
学生パーティーは何回か落石を起していた。
確保技術も怪しい感じだったが、口を出さず。
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3ピッチ目の長いスラブがハイライト。
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リッジの尖がった先からのハンドトラバースがよく写真になっているピッチ。
コウムラはリッジを行かず、フェースを登ってしまった。

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最後、2級の岩場を少しで終了。
この時点で既に11時になってしまい、時間に追われることとなった。

八ツ峰上半はⅥ峰はクライミングダウン、Ⅶ峰は巻いて時間をかせぐ。
コウムラは2年前にも来ているので案内してもらった。
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八ツ峰の頭は割愛して池ノ谷乗越へ。
ここからコウムラのスピードがガクンと落ちる。
先に歩くと置いていってしまいそうなので、先に歩かせる。
不思議なことにセカンドを歩いていると、その間のルートの記憶が曖昧になる。

14時半ごろ頂上着。
ガスに覆われ展望はない。
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コウムラのザックがやけに大きい。
協同装備はツエルトとラジオだけなのに。
装備を切り詰めるのも技術のうち。
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前剣のあたりでガイドの松原さんに会って懐かしかった。
お名前を間違えて申し訳ありません。
剣山荘のあたりで雨が降り出したが、すぐに上がってほっ。
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夜中におしっこに起きるとヘッドランプが要らないほどの月夜だった。

3日目 晴れ

剣沢キャンプ場のアサ~。
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9時ごろ出ればいいなとか言っていたけど、準備が出来てしまったので7時ごろ出発。
もう少し歩きたくて、別山乗越で立山三山縦走を提案するもコウムラは瞬時却下。
別行動でみくりが池集合とする。

別山方面からの剣

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雄山までは人も少なく気持ちが良かった。
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雄山の社務所には学校集団登山の人だかり。
この集団が降りだしたら大変な渋滞になると思い、休憩もそこそこに下山開始するも時既に遅し。
一ノ越からずら~っと登山の行列が出来ていた。
この人数はキャパを明らかにオーバーしている。
学校の集団登山はせめて休日は避けてもらいたい。

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こういう状況だと悪い人間性が出てきてしまい、いかん。

それでも3時間で集合場所に着く。
コウムラも道草しながら来たようで、そんなに待たせなかったみたい。
誕生日の前祝にコウムラがおごってくれた。
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わしらの夏が終わった。




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by s_space_s | 2017-08-06 15:39 | 山登り | Trackback | Comments(6)