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blog版 がおろ亭

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2009年 11月 17日

第6回川と山のぎふ自然体験活動の集い(その4)

夜の交流会では、南極帰りの70%コンクウイスキーで皆さんをへろへろにしてやろうと思っていたのに、どぶろくやら美味い地酒など、いっぱい差し入れがあり、調子に乗って飲んでこちらが撃沈。

翌日の朝は、完全に酒が残っていましたが、少年自然の家の周辺を散歩するなどして、何とか頭を研修モードに戻して、2日目の分科会に臨みました。

今日は、この集いでも前回から始まったばかりの新しい分野、地学に関する分科会に参加しました。
テーマは「火山灰の観察」
予想していたとおり地味~な分科会で、参加者は講師の熊崎さん含め4人。

熊崎さんは、飛騨小坂200滝などいろいろな活動に関わってみえる顔の広い方ですが、今回は岐阜野尻湖友の会という聞き慣れない肩書きで講師を務めていただきました。
まず、野尻湖友の会の説明から。
長野県にある野尻湖ではナウマン象の化石発掘調査が1962年から始められ、現在では各地域に組織された野尻湖友の会が発掘調査の一般参加者の募集や事前の学習などを行っているということで、熊崎さんは岐阜野尻湖友の会の会員として、いろいろ勉強されているそうです。

野尻湖の発掘調査の歴史のお話は興味深いものでしたが長くなるので割愛。
主なお話の内容は以下のとおりでした。

・御嶽の火山活動の歴史。30万年前に形成され、3万年前に噴火。地球の歴史を1年に換算するとほんの大晦日のお昼以降の出来事。
・熔岩の流れた方向を地形図で確認→台地状になっている場所
・火山灰が流れた方向→偏西風の影響でほとんどが長野県側に飛散、堆積→濁河温泉付近には火山灰の堆積がない
・火山灰の組成と火山ガラスのでき方。火山ガラスとはマグマが発泡しながら急激に冷やされることでできるガラス状の細かい粒子のこと。
・2万5千年前の鹿児島の姶良(あいら)カルデラの大噴火では東北地方まで火山灰が飛散、堆積した。この火山灰層を調べれば上下の地層の年代が分かる。これを鍵層という。

説明の後、実際に火山灰の観察の方法を実習しました。
前述のとおり、濁河周辺では火山灰が採集できないので、市販の鹿沼土で代用しました。
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お椀に水を入れ鹿沼土を溶かします。
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味噌汁みたい。
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黄色い粘土がなくなるまで何回も水を換えながら火山灰を洗います。
底に残った火山ガラスと輝石などの粒。
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紙の上に広げて乾かします。地味~!
第6回川と山のぎふ自然体験活動の集い(その4) _e0064783_2295664.jpg

透明なプラスチック容器に入れてルーペや顕微鏡で観察しました。
ファーブル顕微鏡を覗く原ねえさん。
第6回川と山のぎふ自然体験活動の集い(その4) _e0064783_22101138.jpg

白い粒が火山ガラス。でき方によって形が違うそうです。黒い粒が雲母や輝石。これらの分析でどの噴火でできた火山灰かを同定するらしい。
第6回川と山のぎふ自然体験活動の集い(その4) _e0064783_22102599.jpg

年期の入った熊崎さんの地学調査道具。
第6回川と山のぎふ自然体験活動の集い(その4) _e0064783_22103628.jpg

4人とも好きなペースで飽きるまで火山灰を観察し、まったりとした分科会は大満足のうちに終了しました。

午後は各分科会等の報告会があり3時前に今回の集いは終了しました。
新しい知り合いも増え、自分自身も大変勉強になった集いでした。

会場として使わせていただいた御嶽少年自然の家は県の行政改革の指針で、譲渡又は廃止の方向で検討されているそうです。
地元では存続を求める署名活動も行われていて、わしも職場で署名を集めさせていただきました。
乗鞍青年交流の家も例の仕分けで切り捨てられようとしていますが、私たち自然体験活動に関わっている者としては、もう少し必要性について深い議論をしていただきたいと思うしだいです。

帰りに小坂駅横の「はとや」でホルモンをお土産に買って帰りました。

by s_space_s | 2009-11-17 08:33 | 自然 | Comments(0)


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