blog版 がおろ亭

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2011年 05月 09日

カフカの長編。
城で測量師として雇われるために、城の麓にある村にたどりついたK(カー)。
城の制度に翻弄され、お城に近づくこともできないKのあてもない奮闘努力を描く。

まるで悪い夢を見ているようで、この小説を読んでいる間に実際、似たような夢を見てしまった。
夢なら覚めて欲しいと思いながら最後まで読むと、なんと、何の進展もないまま突き放したように終わってしまうではないか。
K以外の登場人物の存在は職業や社会的な立場によってのみ規定される。
なので、時に人情も倫理観もないように見えたりする。

城からの命令でKにつけられた助手が2名いる。
Kに媚へつらい、かといって真剣に仕事をするわけでもなく、双子の道化のよう。
終盤になってKに首にされるた後の2人(正確には片割れしかでてこない)の変わりようにぎょっとする。
人相まで別人になってしまうのである。

Kには最後まで測量の仕事が与えられない。
人間は社会的な生き物である。
役割を与えられない人間はKのように出口(入口?)があることを信じて動き回るか、あるいは、絶望するしかないのか。

新潮文庫
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by s_space_s | 2011-05-09 22:34 | 読書 | Comments(0)


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