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blog版 がおろ亭

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2011年 05月 29日

最近読んだ本(新釈遠野物語・冬芽ハンドブック・女について)

★新釈遠野物語
柳田国男の「遠野物語」で読んだことのある幾つかの奇譚を岩穴に住む不思議な老人の語りで再現する。
生きた人の語りを重視する著者のこだわりは分かるけど、あまり成功しているとは思えない。
「遠野物語」の話には自分で想像して楽しむ部分が残されているけど、リアルに描かれてしまうと奇妙さがかえって希釈されてしまうことがあるから。
結局、狐にばかされていたという落ちも安直でいただけない。

井上ひさし著 新潮文庫
 
★冬芽ハンドブック
野外観察ハンドブックシリーズの1冊。
いつもお世話になっている「樹皮ハンドブック」もそのなかの1冊。
いまごろ冬芽とは時期外れと言われそうだが、眺めているだけで楽しい。
トイレに常備して来冬に備えよう。
葉痕(葉が枯れ落ちた跡)には動物や人の顔に見えるものがあって、面白い。
葉っぱと樹皮と冬芽が見分けられたら春夏秋冬、木を観察する楽しみが続けられる。
あとは花かな?

分一総合出版

★女について
時代的な制約と自身の来歴からと思われる偏見も多々含まれているが、男が読んだら面白く、すっとするんではないかい。
朝日新聞の読書欄で筒井康隆も面白がっていたような気がする。
町田康のパンク小説を読むように、このエセーを楽しむのも一つの楽しみ方。

何が書いてあるのかというと、こんな感じです。

「女について」以外の話には眠くなるものが多い。
実際、睡眠薬代わりに使っている。2~3行でイチコロだ。
勇気や知性が道徳の観点からは価値の尺度にならないなど、面白いことも書いてあるのだが。

ショーペンハウエル著 角川文庫










by s_space_s | 2011-05-29 21:36 | 読書 | Comments(0)


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