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blog版 がおろ亭

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2013年 02月 13日

地獄の季節

先日、岐阜の街で呑んだとき、待ち合わせまで時間があったので、徹明町の古書店「我楽多書房」に寄りました。
大抵こういうときは薄めの文庫本で面白そうなのを探します。
荷物にならないし、外れでも諦めがつくから。

岩波文庫を順番にチェックしていたらフランスの詩人ランボオの「地獄の季節」が目に付きました。
150円也。
番台と呼ぶほうがいいようなレジカウンターに座って文庫本を読んでいたお姉さんに代金を払って出ました。

その日は「くしびき」で呑んで、2軒目は、玉宮町のビアホール(BIERHALL)に行きました。
ここは、かってウナギの寝床のような「楽山荘」があった場所です。
相棒のKが「ビアホールへ行こう」と言うので、こんだけ呑んで今更beer hallはねえだろうと思いましたが、行ってみると先払いで何でも呑めるカウンターバーでした。
BIERというのは棺桶らしい。
「地獄の季節」について語るには、おあつらえの場所だったわけです。
が、俳優崩れのKとは山の話に忙しく、シーバスリーガルをロックで数杯飲むうち記憶もなくなりました。

*  *  *  *  *

小林秀雄訳のこの詩集、のっけから「かつては、もし俺の記憶が確かならば、俺の生活は宴(うたげ)であった。」などクールで熱いフレーズが跳びだしてきて、非常に期待を持たせます。
しかし、小林の硬質な訳がわしには難解すぎて、イメージを掴むのに苦労しました。
出版は1970年とそれほど古いものでないにも関わらず、ランボオがこの散文詩を書いた1875年という時代を表現するために、小林が敢えて難しい造語を作ってまで表現したかったイメージとはなにか。
今後、何回も読み直すことになると思います。

この詩集には「地獄の季節」の前年に書かれたIlluminations「イリュミナシオン」(本書では「飾画」とされている。)も収められています。
こっちは、言葉の宝石箱や~。
あまりに幻想的で、たまにハッとするイメージもありましたが好きになれませんでした。

余談ですが、先日のセンター試験の国語の問題に小林秀雄の「鍔」というエッセーが取り上げられました。
ニュースではその文章の難解さゆえに平均点が過去最低になったと報道されています。
わしも問題を眺めてみましたが、問題が良くないと思いました。
理論的な評論ではなく筆者の感覚が入り込むような内容について、解釈を5択に嵌め込むことはおかしなことだと感じました。

1970年 岩波文庫

by s_space_s | 2013-02-13 21:53 | 読書 | Comments(0)


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