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2014年 03月 24日

Pygmalion

この連休は御嶽で痛めた膝を休めるため、家でず~っと本を読んでいました。
1913年にイギリスで初演されたバーナード・ショーの戯曲 'Pygmalion' のペーパーバック版です。
辞書を片手に3日間かかりました。

天才的音声学者のヒギンズはドヤ街でその日暮らしの花売り娘イライザと偶然知り合います。
イライザの英語はひどい下町訛りで、何を言っているのか、わしではよく分かりません。
イライザは花屋の店員の職を得るため、ヒギンズの話し方講座?を受けたいとヒギンズの研究所に押しかけます。
6ヶ月で社交界に出ても通用する話し方と作法を身につけさせるという賭をした、これまた音声学者であるピカリング大佐とヒギンズは、イライザの特訓を始めます。

もともと耳がよく、才能もあったイライザは見違えるようなレディになって、舞踏会で注目の的。
ところが毒舌家のヒギンズは褒めもしないし、嫌みばかりいいます。
このあたりにヒギンズの心の変化が現れているような気がするのですが、その機微を説明するのは難しい。
ピカリング大佐のほうは、イライザをレディとして尊重する態度が終始一貫しています。
読んでいる方は、ピカリングとくっつくのではないかと想像したりして。

ヒギンズの母の家で、イライザとヒギンズは最後の言い争いをします。
このやりとりは、「好きや。どこへも行くな。」って早よ言え!バーカ!と”やきもき”するほど上手く描かれています。
結局、イライザは若く金もない没落貴族の息子フレディといい仲になり、ヒギンズの家を飛び出してしまいます。

ここで舞台は終わりですが、この本には2年後にショーによって追加された続編が掲載されています。
この戯曲が原作になっている映画「マイ・フェア・レディ」ではイライザが帰ってくるようです。
この続編では、さてどうなったのか・・・。
わしとしては、ピカリング、フレディ、フレディの妹クララも含めた後日談がしみじみとして心に残りました。
続編は、戯曲の形式ではなく、かなり読みにくいです。
最初は編者による解説かと思いました。


ピグマリオンのイメージはギリシア神話が元になっています。
彫刻家のピグマリオンが、理想の女性ガラテアを彫刻し、その像に恋してしまうお話です。
下の写真はジャン=レオン・ジェロームが描いた「ピグマリオンとガラテア」です。
後ろからと前からのアングルがあって、よほどこのモチーフが気に入ったのでしょう。


Pygmalion and Galatee 1890
Jean-Léon Gérôme
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ジャン=レオン・ジェロームは19世紀後半のフランスの画家、彫刻家です。  
1872年「指し降ろされた親指」などスペクタキュラーな作品が興味深いです。
いくつかの作品はWEBでも鑑賞できます。


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by s_space_s | 2014-03-24 17:32 | 読書 | Comments(0)


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