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2014年 12月 16日

タカダワタル的

仕事帰りに更衣室で着替えていると、隣の課の○○課長が入ってきて、
「岐阜出身のフォークシンガーのタカダワタルって知ってる? いつでもいいから観てみて。」
と「タカダワタル的」という2枚組のDVDを渡されました。

この名前については、どこかで聞いたことがあるような気がしましたが、名前と歌が一致しませんでした。
観る時間がなかったとうわけでもないのですが、気にはなりながらも、食卓の上に暫く置いてありました。

そして、土砂降りの雨が降る日曜日、やっと観る気になったのです。
内容は高田渡的な日常とコンサートの場面を繋いだドキュメンタリーです。
たぶん、55歳(亡くなる1年前)ごろの撮影だと思います。
高田渡的日常とは居酒屋や家で酔っ払っている時間のことです。
これが非常に親近感の持てる普通のおっちゃんなのです。

コンサートもその酔っぱらったおっちゃんの雰囲気を引きずって進んでいきます。
レイドバックの仕方が半端なく、後ろにひっくり返ってしまいそう。
けど、演奏に入ると空気が凜とした雰囲気になるのはミュージシャンの心意気でしょうか。
歌われる詩の世界には味があって、しみじみと浸みてきます。

バックバンドは確かな腕のプレイヤーを揃えていて、特に松田幸一のブルースハープにうっとり。
ブルースハープは曲のキーが合うとそれなりに吹けるので、手持ちのハープで吹けそうな曲が出てくると、酔っ払いながら真似して吹くのも気持ちよく、もう3回以上廻しました。

高田渡は、いろんな詩人の詩にフォークのメロディを付けて曲にするのが得意でした。
「生活の柄」という曲が気に入ったのですが、作詞は山之口貘という沖縄出身の詩人です。(1903~1963)
高田渡は曲にするにあたって原詩をアレンジしています。

貘は亡くなってから50年以上経ちましたので、ここにその原詩を紹介させていただいてもよろしいかと。
貘の著作の一部は青空文庫でも公開されています。


「生活の柄」  山之口獏

歩き疲れては、
夜空と陸との隙間にもぐり込んで寝たのである
草に埋れて寝たのである
ところ構はず寝たのである
寝たのであるが
ねむれたのでもあつたのか!
このごろはねむれない
陸を敷いてはねむれない
夜空の下ではねむれない
揺り起されてはねむれない
この生活の柄が夏むきなのか!
寝たかとおもふと冷気にからかはれて
秋は、放浪人のままではねむれない。




○○課長、いいもの教えていただいて感謝しております。

2004年 日本映画 タナダユキ監督






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by s_space_s | 2014-12-16 17:21 | 映画 | Comments(2)
Commented by まっちゃん at 2014-12-17 08:31 x
 高田渡を御存じなかったとは!!!
 高田渡と言えば、熊谷守一と並び岐阜が生んだ偉人(奇人)ぢゃあないですか!
 客を前にして演目中に居眠りこいて許されてしまうのは、高田渡と志ん生くらいなものと言わしめた伝説的フォークシンガーです。
 「生活の柄」は「満月の夕(ゆうべ)」と共に私の愛唱歌の一つです。山之口獏の詩集は、弥生書房?のモノを持っていますが、南国の詩人というのが好ましいのです。
 そんなものを貸して下さる上司がいるとは、素晴らしい職場ですね。
Commented by s_space_s at 2014-12-17 12:34
「自衛隊に入ろう」とか、岐阜出身の伝説的フォークシンガーがいるという話はなんとなく知っていたのですが、恥ずかしながら、高田渡その人を意識したことがありませんでした。
DVDはもう一回観たらお返ししたいと思います。


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