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blog版 がおろ亭

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2015年 05月 16日

最近読んだ本(飆風、羽根むしられて、ジェイルバード)

色々あって、最近本を読めてません。
かなり前に読んだものも含め、憶えに記録しておきます。

★飆風(ひょうふう)
車谷長吉の身を切るような私小説三編と小説論1編。
小説論に引用される作品とコメントにこの人とわしは感覚が同じだと感じました。

「藝術は爆発だ」岡本太郎
「汚れちまった悲しみに…」中原中也
「楢山節考」「おくま嘘歌」深澤七郎
「剃刀」志賀直哉
「断食藝人」カフカ、など

車谷は虫酸が走る人物として、長嶋茂雄や石原裕次郎をあげつらっている。
虫酸が走るとは理屈抜きで大嫌いということです。
車屋の感覚を想像するに、自信満々でナルシスティックな人物を嫌っているのではないでしょうか。
たぶん、安倍晋三やイチローなんかには虫酸が走るのでは。
わしも同じです。

さらに進んで、車屋は人権とかニューマニズムにも感覚的な疑義を申し立てています。
なら、どうすればいいのか?
あほなわしにはよく分かりません。

文春文庫

★羽根むしられて
町田康が50回も読んだ本と言うことで、読んでみました。
1回目は、どこが面白いのかさっぱり。
「なんや、ニューヨーク的な諧謔味って全然わからん。」と腹を立てていたのですが。
2回目でやっと味が出てきて、3回目は結構はまりました。
何回も読まないと良さがわからない本もあるということを教えてもらいました。


バレー(踊り)の解説をパロディにしたこんな小品も面白いですね。

「雌鹿の生涯のある一日」
 耐えがたいほど甘美な曲が流れ、幕が上がると、そこは夏の昼さがりの森の中です。一頭の小鹿が踊りながら、木の葉をむしゃむしゃ食べています。小鹿はやわらかい草むらの中にのんびりと入ってゆきます。それから間もなく小鹿は咳こみ、死んでしまいます。

何食ったんじゃろう?

ウディ・アレン著 伊藤典夫・堤雅久訳 河出文庫

★ジェイルバード
これも町田康が数十回、読んだということで興味を持った本です。
ヴォネガットの小説では、数年前にPlayer Piano を読んだことがありました。
物語の上手さ、ユーモア、ヒューマニティへの信頼など、この長編にも同じ良さが出ていて、自分としては掘り出し物でした。

町田康に感謝。
今、2回目を読んでいます。

カート・ヴォネガット著 浅倉久志訳 ハヤカワ文庫


昨夜、酒を呑みながらこの文章を書いていたら寝てしまいました。






by s_space_s | 2015-05-16 21:36 | 読書 | Comments(2)
Commented by とうやま at 2015-05-18 21:11 x
ご無沙汰しております。とうやまです。
いつも楽しく拝見しております。

車谷長吉、私もちょうど読んでいました。
(強迫神経症の患者さんからご紹介を受けました)
人生相談の奇抜さのみの印象の人だったので、とても以外で新鮮に読むことが出来ました。

同じ本を読むなんてタイムリーだなあと驚いていたら、お亡くなりになったのですね。まだ若いのに残念です。

またBlog更新楽しみにしております。

Commented by s_space_s at 2015-05-19 00:14
まず驚きました。
そんでもって、お久しぶりです。
理由は説明できませんが、感覚的に同じ分類の人だと感じていたので、他の作品ももっと読みたいと思っていました。
お亡くなりになった原因は誤嚥のようですが、車谷さんらしいと言える最後です。


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