blog版 がおろ亭

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2018年 10月 06日

最近読んだ本(一千一秒物語、東西不思議物語、清兵衛と瓢箪・網走まで)

最近、割と読書をしています。
感想まで書けるといいと思うのですが、そのずくがない。
備忘のメモが精いっぱいです。

★一千一秒物語
以前の記事で少し触れましたが、戦後短編小説再発見「表現の冒険」という短編集のなかに、稲垣足穂の「澄江堂河童談義」がありました。
独特の雰囲気と少年・後門愛についての蘊蓄話が面白く、その続編ともいえる「A感覚とV感覚」が収録されている本書をアマゾンの古本屋で購入しました。
便利な世の中になったもんだ。

表題作の「一千・・・」は星新一のショートショートをもっと凝縮してポエムにしてしまったようなもの。
テーマは月や星や流星や彗星を拾ったり食べてみたり、月と喧嘩してみたり、おとぎ話のような感じのが多い。
酒を飲むと数日にわたって呑み続け、最後には糞まで垂らしたという足穂のアル中的、幻視・妄想のようなものもあります。

その他の短編も独特の世界観で楽しめました。
56億7千万年後の未来にこの世界に現われ悟りを開き、人々を救済するという「弥勒」の宇宙的なイメージが洒落ていました。
貧困のため半断食生活となり、朦朧の中で突然なにかを悟る(悟った気になる)ということは、ありうることだと思います。

「美のはかなさ」を読むのが苦しかった~。
2回目読んでも、学生時代に吉本隆明を読んだときみたいに、全然頭に入ってこない。
美の偶然性とか美の冒険性などについての評論で、内容を整理しながら3回目読んで、やっと分かったような気になりました。

目的の「A感覚とV感覚」も評論的なもので、おしりに関する蘊蓄いっぱい。
理論的なことは分かりませんが、まあ楽しめました。
P感覚というのは、足穂によれば従属的なものだそうです。
そうかもね。

稲垣足穂著 新潮文庫

★東西不思議物語
昭和50年に毎日新聞・日曜版に連載された澁澤龍彦のエッセー。
超自然現象や神秘体験に関する物語を、日本と世界、古今東西の書物からとりあげ、似たような話を紹介するという軽い読み物です。

江戸時代の後半、橘南谿という医者の書いた「東遊記」「西遊記」という日本見聞録の人気本があったそうです。
そのなかに書かれた、四五六谷(しごろくたに)の話しがありました。

神通川の上流ということなので、今でいう双六谷です。
飛騨船津の男が二人で、この谷の奥を見極めようと入ったところ、食料も乏しくなり釣りをしたのだそうです。
あるとき、相棒が釣りをしている顔を見ると、「化け物のような異様な顔」をしている。
驚いたことに相棒もこちらの顔を見て同じように驚き、山の神のしわざだと怖くなって谷を下るという話です。

「東遊記」では、高山の人の意見として、光の加減で顔がひょろ長く異様に見えるような場所は他にもあり、珍しくないというのがオチになっています。
空腹と疲労のため幻覚を見たというのが、もっともらしい説明でしょう。
けど、餓鬼のようになる釣師の根性が顔に出たというのも、まんざら無くはない?

澁澤龍彦著 河出文庫

★清兵衛と瓢箪・網走まで
志賀直哉の初期の短編集です。
本棚にあって、何回も読んでいるはずですが・・・。
「剃刀」「正義派」などいくつかの作品はストーリーにおぼえがありましたが、読み進めても最後まで思い出せない作品のほうが多かった。
台風接近でクライミングにも行けない休日には、しみじみする短編集です。

志賀直哉著 新潮文庫

連休後半で、まっちゃんと乗鞍へんてこ山行の予定です。
楽しみ〜。




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by s_space_s | 2018-10-06 15:55 | 読書 | Comments(0)


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