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2023年 06月 26日

美濃加茂高木山の岩場案内(北尾根・岩尾根・南稜)2024/2/25更新

美濃加茂の伊深町創造の森南西斜面にかなり大規模なチャートの露岩帯がある。
岩場は3つのエリアで構成されており、各呼称は、参考にさせていただいた鈴木隆氏の資料に基づくこととする。
グレードについては、複数のクライマーによって確認されたものではないので参考程度としていただきたい。

【最新ルート等】


〇各エリア概要

【岩尾根】
美濃ハイキングクラブの山中豊太郎氏によって20年ほど前からルートが設定されはじめた。
20m内外のシングルピッチのルートが多い。
グレードは5.7~5.10のものが多く、初級から中級のクライマーには楽しめる。
初期に開拓されたルートの支点は手作りのものや腐食がみられるものもあり使用にあたって注意が必要。
終了点に古いスリングが残置されているだけのルートもあるので、ナイフ、捨て縄、捨てビナなどを持参したほうがよい。
所々に脆いホールドがあり、ダイナミックムーブは試登の上で行う以外は事故につながる恐れがある。

【南稜・南壁】
岩尾根の南側に広がる大スラブから南側の独立した岩壁(南壁)に繋がるエリア。
南稜の大スラブには3本のラインが設定されており、どれも3ピッチの比較的易しいクライミングでスラブの頭まで登ることができる。
逆層のスラブはアイゼン手袋で登ればかなり充実する。
3ピッチの頭から南面(南稜バットレス)には2本のラインが設定されている。

頭から南壁との間のコルを経て尾根通しに少し脆い1ピッチを登ると、南稜・4ピッチルートの終了点である。
ここから望まれる伊深の田園風景はすばらしい。
2021年から22年にかけて山中氏により南稜上部にラインが追加され、既存のピッチも含め10ピッチのルートとなった。
8ピッチ目の右壁に前傾壁のショートルート「雲雀料理 5.11b」「ねじ式5.11b」が設定されている。

南壁には山中氏により4本のルートが設定されているが、一番左の「CHABO 2ピッチ5.9」を除き、あまり登られていない。
高木山の岩場(南壁)
隣接の陽だまりエリアには陽当たりのよいショートルートが多く設定されている。

【南稜バットレス】
南稜3ピッチの側壁(南稜バットレス)で、県道から一番目立つ三角形のフェース。
全体的に脆い部分が多く、最近まで手が付けられていなかった。
取付へは南稜基部から回り込むか、南稜の頭から20m2回の懸垂で行ける。

サーカス 1ピッチ目5.10a 20m、2ピッチ目5.6 15m
核心部は1ピッチ目ハング上の薄被り。
大きなホールドで豪快に登れる。

伊深時雨 5.8 30m
サーカスと並行して設定されたライン。
3ピン目までが脆いので注意が必要。
上部は易しいがロケーション良く、気持ちがいい。


【北尾根】
ロープ持参の岩稜歩き・冬場のアイゼントレーニングに適する。
取付きは東屋ゲートのすぐ手前で、3ピッチ目から左右にラインが分かれる。
は尾根をほぼ忠実に登るものであり、は新しいラインで岩の部分が多い。
最近、2ピッチ目周辺に山中氏により「Shanshan 5.10a NP」など4本のラインが追加されている。

北尾根ルート図(クリックしてね)
美濃加茂高木山の岩場案内(北尾根・岩尾根・南稜)2024/2/25更新_e0064783_09525456.jpg
上部で岩尾根、南稜と合流し高木山324mへの尾根に繋がる。
尾根の上部からは踏み跡があり、愛宕神社に出るとあとは遊歩道が高木山まで続いている。

〇注意事項
古くから地元の岳人によって利用されている岩場であるが、地権者の許可を得ているわけではないので、節度ある行動が求められる。
登り口の東屋のある広場には、森林火災の際に消防車等の乗り入れに支障があるため、一般車は駐車禁止
川浦川の橋を北に渡った下流側の石碑周辺に数台分のスペースがある。
トイレは周辺にはない。

〇岩尾根のルート紹介

各ルートの俯瞰図
美濃加茂高木山の岩場案内(北尾根・岩尾根・南稜)2024/2/25更新_e0064783_14155517.jpg



森のちから 5.9 20m
中間部の小さいハングが核心。ハングの右手に古いリングボルトが残っているが、別ラインなので注意。
豪快に登れる気持ちいいルート。

長良川鉄道 5.6NP 25m
小~中間サイズのカムまでで完全NPで登ることができる。カムのセットの練習に最適。

③子宝の湯 5.7NP
長良川鉄道から別れ草の生えたジェードルを登る。小さいカムが必要。
気が向いたら練習に登ってみてもよい。

④一人旅 Ⅳ 一部NP
1ピン目が遠い。ガバホールドは要チェック。
⑤の終了点にも行ける。

年寄りのあがき TR5.10d
大きなハングをダイレクトに越えるルート。
山中氏によってリードされているが、支点と岩質の問題により、現状ではTRがお薦め。
一段上のバンドにFIXがある。

折りたたみ北京 5.10d 10m
三段ハングを越えていくショートルート。
出だしは「サムシング・・」と同じ。
ルート名は中国のSF作家ハオ・ジンファンの短編から。

サムシング・グレート 5.10c
2ピンめ上のバランスが難しい。右の脆いフェースに逃げないこと。
山中氏が設定し、石際が登って「サムシング」と命名したが、その後、山中氏により「グレート」が付加された。

⑧ハッピークラック 5.7NP 15m
出だしのOWはボルト追加で安心になった。
大き目のカムがあると安心。

イマジン(スーパー) 5.11b 10m
2ピン目上のフレークが欠損したため、核心部のムーブがより微妙になった。
核心部を抜けても最後まで気が抜けない。
上部は右のスラブに逃げず、ボルト正面の薄被りを直上。
登れると想像すれば登れるかも。

ブルース・ブラザース弟 5.10a
1ピン目が遠いので注意。ビレイヤーはセルフが必要。
この兄弟ルートは山中氏によって同時期に設定され、最近の開拓ブームの先駆けになった。

⑪ブルース・ブラザース兄 5.10bc
カチを繋ぐ好ルート。グランドしないよう注意。

ナイフブレード 5.10a 30m
これも1ピン目がやたら遠い。
普通?のクライマーなら慎重に登れば大丈夫。
背が低いクライマーには1ピン目に掛けるまでが恐ろしい。
核心部はコル上のフェースの出だし。その上で手の切れそうなフレークを見つけてほしい。

⑬おかしなおかしな石器人 5.10b
最初のバンドに上がる部分が核心。
上部カンテは右フェースに逃げるとつまらなくなる。カンテラインを登ってほしい。
左のツルツルフェース側を登るのは人類の究極課題?
見栄えは一番。

⑭みのかも入門 Ⅳ 25m
でかいリングが少し気持ち悪い。OWを抜けてトップアウトすれば眺め最高。

百春 1ピッチ目5.10a 15m 2ピッチ目5.10cd 10m
1ピッチ目:出だしのボルダームーブが面白い。
ボルトラインから右へ逃げると易しくなる。
2ピッチ目:ボルトラインから左のカンテに逃げず、窪んだフェースを登る。
2ピッチの設定であるが、97号線⑯と同じスタートで2ピッチ目核心部を経て1ピッチで登ることもできる。
下降はテラス上の⑯の終了点から懸垂で。

⑯97号線 5.8 25m
上部のバランスが微妙。意外と面白い。

赤壁もどき 5.9~10a 20m
すっきりした、うすかぶりフェース。豪快に登れる。
立岩赤壁にそっくりらしい。
終了点は「エラスティック・ダミー」と共通で、ラッペルリングがセットしてある。

ディエードルがお好き 5.7
すっきりした凹角を大股開きで登る、楽しいルート。

おそうじオバチャン 2p 5.8NP
ハッピークラックの途中から右上し、イマジンの終了点を経て上部のフェースを登る。
2ピッチ目は岩尾根の裏側に下り気味に移動しスタート。
階段状の末端壁を少し登り快適なクラックに入る。

リハビリルート2 5.6~7NP 20m
森の力①の左隣のフェースに設定されたライン。
中間にボルトが1本だけある。
少し大きめまでのカム1セットで登れる。

リハビリルート1 5.5 25m
岩尾根の末端に位置するゴジラの背のようなライン。
3本ほどボルトがあるが、上部はカムがあると安心。
終了点は⑳とほぼ同じ。

夏休み 5.10b 13m
30℃を超える真夏、蝉時雨の中、設定されたライン。
ボルトラインで登ること。
右の凹角へ逃げると易しくなる。

赤壁⑰の左にある顕著なコーナーを上るライン。
スタートは97号線⑯と同じ。
ルートに凹凸があるので、緩傾斜のところは長いスリングを使うなどロープの流れをよくする工夫が必要。
終了点は「赤壁もどき」と共通で、ラッペルリングがセットしてある。
50mロープなら赤壁のテラス経由で降りればよい。

あららぎ君 5.10b 20m
顕著なハングの右フェースを直上するライン。
困難なムーブはないが、均一に前傾しているので充実する。

㉘? 
顕著なハングからスタートするライン

各ルートの終了点へは第2ゲレンデ下のFIXのある岩場を登り、尾根の裏側を歩くか、岩尾根上端から回り込む踏み跡を辿って達することができる。


近くにこんな岩場もあります。






by s_space_s | 2023-06-26 08:19 | クライミング | Comments(5)
Commented by グブチャン at 2022-01-04 15:49
エイカン穴探しでは大変お世話になりました。
またまたお願いなんですが、高木山東の山之上富士山の事なんですが、山之上富士山頂から東、(有)オークラ化成 南側まで伸びている岩尾根を行かれた方がありましたらルートがあるのか、そもそも行けるのか 情報がありましたら教えて頂けたら幸いです。下から眺めるとナイフリッジが続いている感じなんですが、虫や藪の少ない冬季に挑戦したいと考えています。もし私が行きましたらリポートしたいと思います。
何卒よろしくお願い申し上げます
Commented by s_space_s at 2022-01-05 13:57
グブチャンこんにちは。
お尋ねのルートは登ったことがありません。地図を見ると面白そうなところですね。私も行ってみようかな。
もし行かれたら情報いただけると幸いです。
Commented by グブチャン at 2022-01-11 17:45
がおろさん 行ってきました!が、かなり危険でした。がおろさん方々のように岩登りやクライミング技術に長けている方とは違い、私のような技術も経験も少ない者が、ナイフリッジの尾根を「下る」という状況であった事も有ると思いますし、チャートの岩はかなり浮いていて浮石が多く危険でした。山腹は傾斜がきつく、かつ枯葉が多く滑り、樹木も枯れ木が多く掴むと折れたり、容易に足を踏み入れる場所ではないと実感しました。人が多く訪れるアルプスや山岳地帯は危険な個所に鎖やロープが設置してあり、それなりに装備があれば安全なこともあると思いますが、人が訪れない里山や低山の岩場や尾根は危険がいっぱいで、本当に自己責任で行くか、一人では決して行かない事も再確認できました。 今回は職場の若者に付き合ってもらいなんとか踏破出来ましたが、危険でした。また、所々熊の糞や爪痕もあったので、危ない所です。 以上だらだらと書きましたが、何かアドバイスがありましたらご教示くださいませ。
よろしくお願いいたします。
Commented by s_space_s at 2022-01-12 22:05
ご報告ありがとうございます。
人工物がないマイナーな岩場は全て自分の判断でルートを決めたりリスク管理をしないといけないので、アルプスの人気ルートより難しい面があると思います。
ロープワークや支点構築の技術があれば少しは安全かもしれませんね。
Commented by s_space_s at 2022-02-15 09:12
先日、登ってみました。
地形的には厳しく、植生もしっかりしていないので、下るのはかなり厳しいと思いました。
登りでしたら、末端の岩場を除き危険な個所はあまりなかったと思います。


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