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2007年 05月 28日

恩讐の彼方に・忠直卿行状記 他八編

菊池寛の短編集
すべて歴史物で,人間とはいかに生きるべきか,というテーマを真剣に追求した直球勝負の話が多い。
菊池寛に言わせるとそれが「善」というものらしい。

印象に残るのは,「三浦右衛門の最後」と「形」。
どちらも悲劇的な結末である。

三浦右衛門は,命が惜しいと訴えながら,達磨のように手足を切り取られ絶命する。
中村新兵衛は鑓の達人としてのシンボルである鎧兜を貸したことを後悔した瞬間,敵の雑兵の鑓に貫かれる。

なんとなく,気分や雰囲気を楽しむ小説ではない。
「藤十郎の恋」なんか読んだら,ちょっと変な気は起こらなくなると思う。


岩波文庫
(収録作品)
三浦右衛門の最後
忠直卿行状記
恩讐の彼方に
藤十郎の恋

名君
蘭学事始
入れ札
俊寛
頚縊り上人

以上の作品は、作者没後50年以上経って著作権が消滅しているので、青空文庫で読むことができる。

by s_space_s | 2007-05-28 21:05 | 読書 | Comments(0)


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