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2008年 02月 03日

犬の人生(航海日誌から)

12月5日(水) 曇り朝あられ
昨夜はよく揺れた。朝、体温を測ると37.5度。
朝食は食べる。今日は停船観測。停まっていると船はよけいに揺れるようで、左右合わせて30度ほど。固定していない荷物が右へ左へ滑りだす。窓から外見ると海面が天井より上がったり下がったりする。波は4m。海洋観測の手伝いもできるのだが、風邪を治すために部屋でおとなしくしている。

松田優作の「ア・ホーマンス」をDVDで見る。あれまあロボットだったのね。息子は取調室の枯葉のシーンが好きと言っていた。

読書:マーク・ストランド「犬の人生」(二回目読む)
「更なる人生を」・・・生まれ変わりの話、あるいは、小説の書けなかった父への鎮魂歌。
「真実の愛」・・・例えば電車で見かけた女に恋をするのは、よくあること。A隊員なんか通りかかった女性の七割に恋してるように見える。だが、この男の場合はそれが真実の愛にまで昇華しているのだな。
「水の底で」・・・同じ主題が繰り返しディテールを変えながら描かれる、夢を見ているような短編。
「犬の人生」・・・犬だったことを打ち明けた後でも夫婦は夫婦。そんなこと聞かなかったというように生活できる。逆に、ほんの些細なことから破綻していくこともあるわな。
「二つの物語」・・・二編とも鮮やかなイメージを喚起させる描写がすばらしい。
「ケパロス」・・・妻の貞節を疑った男の悲劇。
「殺人詩人」・・・両親と愛犬を詩のために殺した詩人の最後の言葉
以上が好きな作品。

北野たけしの「監督ばんざい」を見る。つまらん。

食欲はあるが、咳が止まらん。揺れも左右それぞれ20度まで行くようになった。
早く治して、しらせの生活を楽しみたい。

巡検後、踏ん張っていないと椅子から転げ落ちそうな船の寝室でVB(ビクトリア・ビター、オーストラリアビール)をやりながらギャービン・ブレイアーズ「シンキング・オブ・タイタニック(タイタニック号の沈没)」を聴き、中原中也詩集を読む。考えてみればこんな贅沢なことはない。

by s_space_s | 2008-02-03 05:13 | 読書 | Comments(0)


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